2017年 04月 13日
ブナの森を抜けて(魚沼三山を眺めて)
残雪登山(魚沼三山を眺めて)の続き。
標高1200mあたりを越えた頃だろうか。
追ってきた雲が、魚沼三山、八海山を越えて
あっというまに雲に包まれてきた。
尾根は、徐々に広がっていき、
急登、平らなステップ、急登、ステップ
この繰り返しとなった。開けているが、至近の八海山はもう見えない。
眼の前広がるブナの森を登り進む。
山の天気は変わりやすい。
さっきまでの青空は消え、気づけば雪が降ってきた。
先行していた山スキーヤーも休憩しており追いついた。
天気は徐々に回復するだろうと思い、
ブナの根元にできた吹き溜まりの雪を掻いて、
風除けベンチを作り休憩。
辺りは白く化粧をした美しいブナの林立。
この眺めだけでこの日の山旅は十二分に満足だ。
少しずつ明るくなってきただろうか。
雲の切れ間が出始めた。向こうの尾根も見えている。
滑らかな雪に、ブナの木立。やっぱり静かな森歩きはいいものだ。
山スキーヤーは既に滑降ポイントへ向けて進んでいった。
どうやら山頂とはすこし違う方向のようだが、
ジグを切って登るトレースを追いながら
空の様子を見ながら上へと目指すことにした。
結構な急斜面の連続だ。
登り詰めてゆくに従って、
時折眩い陽射しが美しいブナの森を照らすようになってきた。
それに伴い気温が上がり、霧氷が花吹雪となる。
なんて儚く美しいんだろうか。
雪から顔出すダケカンバだろうか。
枝先に息吹がある。
雪はあれど、山は春へと向かっている。
登山の楽しみ方も、千差万別だが
山頂へ至る森をじっくり楽しむことも忘れてはならない。
このブナの森はそれを改めて教えてくれたようだった。
つづく